映画「か」行

vol.27. prison 刑務所 『刑務所の中』

日常、出来る限り色々な場所に行ってみたいなーって思う私ですが、
それでも行きたくない場所だってある。その筆頭にあがるのが、ここ、
刑務所。今読んでいる本の舞台が刑務所だったので今日は刑務所映画について。
ちなみに今読んでいるのが↓こちら、蒼井上鷹さんの本です。

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ハンプティ・ダンプティは塀の中 (ミステリ・フロンティア) 蒼井 上鷹

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ちなみにこれは留置所ですが、ともかく留置所や刑務所にはたくさんの謎がある。
だって色々抱えた人がやってきているから。そんな中でのちょっとした謎や
そういうのを解決していくのがこのお話です。

と、本の紹介はそれくらいにしておいて、刑務所な映画ですよね。
刑務所映画、これはもうコレしかないでしょう、と誰もが挙げるのが
『ショーシャンクの空に』だと思います。これはもう別格になるくらいの名作。
あまりに有名でベタだったのでここではやめておいて、いつか別口のテーマで
紹介しようかな。ていうかわざわざ紹介するまでもなく、皆さん知っていますよね。
次に思い出すのは映画じゃないけどやっぱり『プリズン・ブレイク』。
ああ、マイケル・スコーフィールド。私これもまた大好きです。
手をこするマイケルや落ち込むマイケルが好きです。
他に刑務所が出てくるのだと…『ザ・ロック』『告発』『アルカトラズからの脱出』
『グリーンマイル』『蜘蛛女のキス』(こんないい映画があったなー!)
『スリーパーズ』『シカゴ』『モンテ・クリスト伯』とまぁあるわ、あるわ。

そんな中で私が一番に思い出すのがこちら、『刑務所の中』です。

『刑務所の中』

刑務所の中 特別版
刑務所の中 特別版

 

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ある日、ハナワカズイチは懲役3年の刑を受ける。ハナワはそれぞれひとクセも
ふたクセもある4人の受刑者たちと同房。ハナワを含めた彼ら5人は次第に奇妙な
連帯感で結ばれていく。ハナワにとって刑務所内での暮らしは予想に反して平穏で
居心地の良いものだった。厳しく、一見風変わりな規律はたくさんあるが、
暴力などは一切なく、テレビも見れて雑誌も読める。刑務所の中では、
そんな穏やかな毎日が日々繰り返されていた。
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基本イタイ映画は苦手なので、可哀想なシーンが割りと多い刑務所モノはそんなに
得意なジャンルではありません。それでもいい作品が多いのも事実。
だけどこの映画はホント安心して見れるホノボノ系な映画。
だって「これなら入ってもなんとかなるかも」と思っちゃうもの。
尤も現実はこんなもんじゃないですよね。

山崎さんのゆるーい演技が見ものです。しょうもない入所理由も笑えます。
ツボをついたコメントもいい。見た目とは違う激しい心の動きも(笑)
そしてご飯が食べたくなる!
そう、ここではやっぱり食事は貴重ですよねー。美味しく食べてくれるんですよね。
お菓子なんかもねー。くー、アルフォートたべたーい!って思っちゃうの。

淡々のこなしている日常。こんな刑務所だったら、ちょっと日常から離れて
色んなことを考えることができるかもしれない。
なんかアイディアが浮かびそうな、そんな余裕さえあるかも。
だってご飯は出るしね、生きていけるんだもん。
これならホームレスより絶対マシって思うもん。

他の受刑者たちも魅力的ー。色んなクセがある人がたっくさん出てくるんですよね。
そりゃそうですよね。刑務所だもん。ただそれがまた何とも言えず、楽しく。

私結構こういうゆるーい、脱力ムービー好きですね。先日は基本上映中の映画なんかを
紹介している『キマグレなヒトリゴト』にも書いた
『迷子の警察音楽隊』がツボでしたし。
何も考えたくなくって、ただ無性に脱力したい、そういう時にこの
『刑務所の中』、オススメです。

ちなみに、これを書く前までは上記の本を読了してなかったのですが
今読み終えたところ、参考文献のところにこの映画の原作、入ってました。
うん、やっぱりね。

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vol.24. religion 宗教『キング 罪の王』

ちょっと前にとある宗教の勧誘の人たちに無料の英会話いかがですか?と
言われました。この方たちって男性は男性に、女性は女性に声をかけるんですよね。
あいにく英語は話せます、と強く出てみたらあっさりそうですか、ということ
だったんで、よかったんですけど、近頃別口の宗教の勧誘の人たちは夜に家を
訪ねてくることもあるそうで、それはどうかなーと思ってしまうわけです。

宗教は人の自由だけど、勧誘されると「んー」と悪い面ばかりが
前に出てしまうんですよね。
それに以前牧師(見習い)の友人に「ホントのヤツは勧誘しないよ」と言われ、
以来そういう目で見てしまうので勧誘は信用していません。
そもそも神ならば他を選択したとしてもそれを赦すものなんじゃないの、と
思う訳で。尤も、宗教のことはよくわかりません。

宗教がテーマの映画となるとやっぱり色々考えさせられますし、
挙げれば沢山ありますね。
やっぱり理不尽さを感じるものが多いのが特徴ですね。昨日紹介したばかりの
ミリオンズなんかは爽やかに守護聖人でしたが爽やかにいくのなんてホントあまりない
はずです。
今回紹介するこの映画もテーマ的には非常に“どんより”な感じです。

『キング 罪の王』

キング 罪の王
キング 罪の王

海軍を退役した青年エルビスは、亡き母から聞かされていた父親に会うため、
テキサス南部の小さな町コープス・クリスティへとやって来た。
父デビッドは、今では牧師となり、妻と2人の子どもと幸せな家庭を築いていた。
そんなデビッドに結局、冷たくあしらわれてしまったエルビスは、娘のマレリーに接近、
異母兄妹であることを知らない彼女を巧みに誘惑していくのだった…。

割とヘビィなテーマの割りに何故かそうそう重くもならず、とんでもないことを
しでかしているエルヴィスに対してそんなにヤな感情を抱くことができないのは
ひとえにガエル君のおかげだと思われるのですがどうでしょう。
ああやって見つめられたら信じてしまうよなぁ(笑)
それとテキサスの青い空が何だか開放的な気分にさせてくれるというか。
でもでも実際はそんな悠長なことを言ってる場合じゃないんですな。

あんなに淡々と凄いことをやってしまう軍隊あがりのエルヴィスも、その酷い仕打ちを
思うと何ともいえなくなるんだよね。「赦す」のが神であるのかもしれないけど、
「償い」を忘れている父。「あれはもう赦された話だ」とかそういうことは絶対ない
はずなのに(息子は生きて現在は続いているんだもん)彼は「だって謝ったもーん」
くらいの態度しか示さない。しかもせっかく会いに来たのに「近づくな」と
凄い勢いで言われちゃうし。これはショックだと思うなぁ。別に入り込もうとか
何かをもらおうとかそういうことはあの時点で彼は考えてなかったと思うんだよね。
(って私も騙されてる?何しろ数年来のファンですから)だけどあんな態度とられて
最初は忘れたフリをして、仲のいい家族の様子を見せ付けて、偉そうに説教垂れて、
そんなの見たら誰だってナニソレ、って思うと思うんですよね。
しかも息子が行方不明になったら今度は後釜としてエルヴィスを迎えようとするなんて。
エルヴィスは全て分かってるから「ああ、この人って」と幻滅したんだろうか、
それとも怒ったんだろうか。淡々と冷静にしているからこそ彼の復讐は恐ろしかった。
激情に走って殺した、とかそういうわけではなく、冷静に判断して今ならやれる、と
狙っていた訳なんだよね?それって普通はそうはいかないよ。でも何がトリガーになった
か、といえばやっぱりデビッドの態度なんですよね。
そうそう、一番酷い目にあったマレリーはそれでもその事実を知った時に
「私を騙したな!」と怒る訳ではなく「私達地獄に落ちるわ」と言うのには驚いた。
そうか、彼女は彼が計算づくであるとは露とも思っていなかったのか。
あくまで「私達」といえる無垢な彼女の存在が哀しい。
それもこれもオヤジのせいだよね(怒)

デビットは本当に宗教から、信仰から生まれた矛盾です。この矛盾をまっすぐに
直すことは今までの歴史から見てまず無理なんですよ。だから戦争も起こるのだし。
何だか最後まで怒りの矛先はこのおっさんで、あんな凄いことをやってのけた
ガエたんを恐ろしいとは思うものの嫌いにはなれない自分がいました。
不思議だなぁ。でもさすが、ガエル。(行き着くところはそこなんだ)
にしても彼はそういうタブーをテーマにした映画に出ることが割りと多いよね。
『ブエノスアイレスの夜』にしかり『バッド・エデュケーション』しかり。
アイドルではない彼の映画の選び方はやっぱり好感が持てるのです。
私は彼が大好きなので近いうちに彼の映画をテーマにするつもりです。
ええ、明日にでも(笑)

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vol.10. farewell 別れ 『恋人までの距離』

春は別れの季節です。とよく言われておりますが、実際沢山控える別れに、少し辛い
今日この頃です。弟も結婚して明後日家を出るし、私自身も旅立つし、私は月曜日に
オバさんと戦って辛かった今の仕事を辞めるし。

人はどれだけの別れを経験するんでしょうね。
総数は人によって多かったり少なかったりするのかな。
私は転校生だったし、職場も同じところに長いこと留まることもなかったし、
留学したり外国で暮らしたりしているから割と別れは多いような気がします。
人と比べたことがないからわからないけど、ここ2年で号泣の別れは結構あったかも。
別れはホントに辛い。ココロに穴があくんじゃないか、と思う事すらある。
これから体験しなければならない別れもある。おそらく永遠の別れとなる犬との別れを
思うととてもまともな自分でいられなかったりもする。

前置きが長くなりましたが今回のテーマはfarewell,別れです。
farewell、というとちょっとイメージは懐かしい感じですよね。
『武器よさらば』『さらば愛しき女よ』と何だかイメージは70年代(笑)
で、今回の映画ですが、正直、この映画を取り上げるのはまだ時期尚早だと思うのです。
何しろ私はこの映画が大好きで、この映画のおかげで(せいで?)英語学習が真剣に
なった。思いがたくさん詰まった映画なんですよね。
テーマも割りと挙げやすい映画でもあるし。
思いつくままに『電車』『バス』『ウィーン』『占い』『朝日』『出会い』『一日』
『会話』『駅』きっとまだまだあるくらい、色んなものが詰め込まれた映画です。

『恋人までの距離 before sunrise』

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離
ビフォア・サンライズ 恋人までの距離

列車の中で偶然出会った一組の男女。二人は意気投合して列車を途中下車し、
ウィーンの街をあてどもなく歩く。しかし楽しい時間はあっという間に過ぎ、やがてお互いの生活に帰る朝がやってくる……。

というストーリーですが、この映画には出会い、そして別れ、その後の余韻がすべて
詰まってます。ラストに2人で歩く道のりをたどるシーンがあるのですが、それがまた
秀逸ですよね。じーーっくり余韻に浸れるんですよね。会話がベースとなっている
この映画なので「ここであんなこと話したね」とか思うんですよ。まるで私がどちらかに
なっているような気分ですらあるわけで。以前のレビューでもここ、詳しく書いている
ので是非参考にしてくださいませ。レビューはこちら

会話って重要だよねぇ。勿論言葉が通じなくてもつながることはある。
だけど私としては、お笑い芸人ばりに言葉や会話が好きな私としてはやっぱり会話は
重要だと思うのです。フランス人セリーヌの達者な英語には突き動かされました。
英語を話せるだけではなく、「皮肉を言ったり、人を笑わせてみたり」というのは
未だに私の中で重要なテーマです。皮肉は人を傷つけることがあるので(拙ければ
日本語のようにオブラートにくるむことができないし)最近のテーマはもっぱら
笑わせるほうな私です(笑)ともかく、この映画は私にモチベーションまで
与えてくれたわけで、忘れられない大事な作品なんですな。

別れるまでの時間って例えば「これをするのはもう最後になるな」とか「あと何回
こうやって話せるかな」とかそういうことが頭のどこかに残っている。
この映画では出会いの高揚感を感じる一方で、常に別れの予感が付きまとっている。
勿論時間限定だから仕方ないといわれればそれまでだけれど、その切ない気持ちを
言われなくても感じることが出来る。別れの映画として緊張した数時間を感じることが
できるのだ。

皆さんの別れの映画はなんですか?『E.T.』?『ローマの休日』?

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vol.5 elevator エレベーター 『カンバセーションズ』

エレベーターといえば、『死刑台のエレベーター』。
そのままタイトルになるような密室ですね。
この『死刑台のエレベーター』も有名だし
サスペンスとしてよく出来ていたと思います。

だけどエレベーターと言われて、パッと
私が思い出したのは、最近みた映画でした。

『カンバセーションズ』

Conversations(s)/カンバセーションズ
Conversations(s)/カンバセーションズ

マンハッタンのクラシックなホテル。
ウェディング・パーティの会場で10年ぶりに
再会した元恋人の2人。平静を装いつつも、
交わす会話はどことなくぎこちない。
やがて、お互いの心の中の探り合いが始まる。
そして、パーティも終わりを迎える頃には、
2人の距離は逡巡しながらも確実に近づいていくが…。
(allcinemaより)

あらすじを知らずに見たこの映画。
分割された画面が最初は慣れなくてちょっと
居心地が悪かったんだけど、段々引き込まれました。
そもそも、2人が最初からかつての恋人だったということは
あらすじを読まなければわからないこと。
徐々にわかってくる二人の関係と分割画面の半分に
現れてくる過去の映像が絶妙でシンプルながらも
楽しめる映画でした。

エレベーターのシーンは序盤なんですが
この2人のカップルにもう一人の知り合い。
知り合いは男に恋人がいることを知っている。
何気なさを装うが、二人の空気を感じ取ったこの
第三者との気詰まりな状況が印象的でした。
殆どのシーンはホテルと過去。なのでホテルを
テーマにこの映画を選ぶことも出来ましたが
あくまでインスピレーションなキーワード
からの映画ピックアップなのでこの映画を選んだ
わけです。

もう戻れないところにある2人。過去は変わらず
2人の中に残っている。男と女で捉えかたは180度
違っていたとしても。そう、この映画の主体となって
いるのはあくまで『ズルいロマンチスト』な男性。
自分が女だからかもしれないけど、共感するのは
女性の方。『罪なリアリスト』は時として
ロマンチストに憧れるんだろうな、と思いつつ。

王道なラブストーリーもいいけれど、
ちょっと小技が利いてビールよりもカクテルや
ワインが似合うこういう恋愛映画はやっぱりステキ。

アーロン・エッカートはロマンチストな感じが
捨てきれないどちらかというとダメだけど女が惹かれ
る男性を演じさせたらいいアジを出しますね。
憎めない彼がよかったです。

でもバレては困る関係にある2人がああいう風に
第三者とばったり数秒を過ごすのって数年分の
緊張感を使うんじゃないのかな、と思ったシーンでした。

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vol.3 surveillance 『キッチン・ストーリー』

私の職場にいるオバさんは、私達が何をするのか常に監視しています。
ご苦労なことですが私達のダメポイントを見つけて
注意するのが趣味みたいなので放っています。

勿論いい気持ちはしませんけどね。

人は観察されるとやっぱりちょっと嫌な気分になるもんです。
それが転じてストーカーになっちゃったりしたら犯罪だし、恐ろしい。
今回のタイトルになっているサベイランスはそのまま
『サベイランス -監視-』なんていう映画にもなっている恐ろしいもの。

とまぁそんな恐ろしい『監視』なのに何故かほのぼのしちゃってる
作品を今日は思い出しました。

『キッチン・ストーリー』です。

キッチン・ストーリー
キッチン・ストーリー


 

北欧からやってきたこの映画、ストーリーはこんな感じ。

1950年代初頭。急速に近代化が進んだキッチンでは、
使う人の行動パターンを知るため様々な調査が行われていた。
スウェーデンの“家庭研究所”では独身 男性を対象にした台所調査を
実施することになり、ノルウェーに住む初老 の男性イザックの家にも、
中年の調査員フォルケがやって来た。
やがて、フォルケは台所に奇妙な監視台を設置 すると、
イザックの観察を開始する。
調査対象と一切交流してはならないという規則を律儀に守り通すフォルケに、
イザックは不信感と敵対心を募らせるのだっ たが…。
(allcinemaの紹介文を参照にしました)

というお話。
何しろイザックは「馬がもらえる」ってなことで調査をOKしたんだけど
貰ったのは木馬…とほほ。その後、2人の攻防戦も(2人は国籍が
違うため色々反目するんだけど)なんだかとってもせせこましい。
見えないように電気消したり、洗濯物置いたり。

この監督の前の作品『卵の番人』とはあまり相性のよくなかった
私ですが。この映画はほのぼのしててとってもよかった。
ラストは切ないけど希望も残ってる。

人によっては眠くなる作品かもしれないですけどクスクスと笑える
秀作ですよ。監視もここまで堂々とやられたらどうリアクション
していいのやら(笑)

今思えば『監視』なんていったら『エネミー・オブ・アメリカ』とか
秀作は沢山あるんでしょうけど、私はなんでまたこれを思い出したんでしょうね。

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