映画「さ」行

vol.31. pink ピンク 『下妻物語』

仙台も、とうとう桜が散っていきました。桜が散り、地面にフワフワと落ちてゆき、
ピンクの絨毯を作ってもきれいだけど物悲しい。
桜は儚いからこそ美しい。これぞ「和」テイストですわね。

そんな淡いピンクより、もっと強烈なピンクはこちら、
『下妻物語』ピンクの原チャが眩しかった!

『下妻物語』

下妻物語 スタンダード・エディション
下妻物語 スタンダード・エディション

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茨城県下妻市。田んぼだらけで未だにヤンキー文化が隆盛を誇る田舎町。
そんな中、全身フリフリのメルヘンチックなファッションに身を包む竜ヶ崎桃子。
彼女は、東京の代官山にある某ロリータファッションブランドに熱を上げており、
片道約2時間半の道のりにもめげず、毎週のように通い詰めていた。
ある日服代を稼ぐため、父親がかつて失敗し家に山積みだった某有名ブランドの
偽物商品の個人販売まで始めてしまう。すると特攻服で原チャリをかっ飛ばす
ヤンキー娘・イチゴがそれを買いに現われて…。
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ビビッドな色使いがそれはもう強烈なこの映画、『下妻物語』。
今更紹介しなくても、知られているような有名作品ですが、ピンクといえば
私はこの映画だなぁ。桃子ちゃんのふんわりした感じは淡いピンクが似合うけど、
イチゴの強烈なキャラには強烈なピンクを。
ロリータがものっすごく似合ってた恭子ちゃん。あのくらいかわいけりゃ
ロリータもいいよね。が、中途半端だと見苦しい、ですよね…。
この役はハマり役だったわ。「捻じ曲がってまーす」な性格だけど
筋は通してるし、好感度は高い。そもそもあんな風にキレイに刺繍するなんて
スキこそなんとか、ってやつですよねー。
一方、「ぬぅっすんだバイクでー」の尾崎を歌う声がセクシーな土屋アンナちゃんも
完璧でした。「桃子さんは…おられますかな」っていうドスのきいたこえも
たまらなくいい!カッコいいのだ。「つーか、かえせねえよ、でっかすぎてよ」
という声も未だに頭に残っているほどカッコいいんだよな。
オトコマエ。イチゴのキャラがホント単純だけど一本筋で、アツくて、
ウザくて、魅力的。失恋したときのシーンもよかったなぁ。バックの音楽も。

周りを固めてくれたほかの人もいい。まずはダメオヤジこと宮迫さん。
ピアノがひけません!という凄い台詞もいいし、ベル○ーチのバッタモンを
売るシーンもこういう人いそうと思わせてくれる。「けじめ、なつかしいなー、
若いってええなぁ」っていう台詞が印象的ですわ。おばあさまの樹希樹林さんも
かわいかったし。ねるねるねるね、ね。良々のジャスコもさすがだし、
篠原さんもセクシーでした。横にいる阿部サダヲも相変わらずの存在感。
そう、ミスキャストが殆どいなかったもんな。

意外にしっかり友情物語してるんだよね。こういう友達が、一人でもいれば
それで幸せだよね。お互いものっすごく依存している訳でもない。
トイレに一緒に行くのが友達じゃないもんね。

この監督の色彩感は凄いですね。下妻の紹介するシーンでも色がきれいで
見入ってしまいました。原色のコントラストね、これがお見事。
これが彼の特徴なのかな、『嫌われ松子』もそんな感じだったもんね。
でも最初のコレがやっぱり強烈だったわけですよ。
そういやうちの近所に貴族の森、あるけど一度もいったことないな。
コーヒーすっげぇ高いやつあるんですよね。ただあれはカップもついてくるとか。
1万くらいするんだよね。ありえんよね。ちなみにうちの近所(とはいえ15分くらい
かかるけど)には「ここに馬をつないでください」ってかいてあるんだよ。
外にね、なんか軽くイラっとするんすけどね。
ジャスコもウマいね。ああいうところに(そういやそこの貴族の森の近くにも
ジャスコあるし)ウマいことスポットライトあててたよね。

ストーリーもしっかりしてるし、感動もくれるし、そのくせ面白い。
かわいいのに田舎だし。
これはウマい映画です。そしてピンクなんですよね。

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vol.17. judge 判断する 『12人の優しい日本人』

ボケて散歩の途中で動けなくなった愛犬ヤマト。家からは数メートル。
自分はトイレに行きたい。手に荷物を持っているから抱っこできず
二進も三進もいかなくなった、母はその場にヤマトを置いて戻って
きました。急いで現場に私がかけつけると端っこでボーっとしている
ボケヤマト…。なんか物悲しくなりました。

というわけで今日のテーマは「犬」でも「ボケ」でもなく「判断する」こと。
多分あのまま待たせてたらヤマトは20分は動かなかったはず。
あの判断は仕方なかったものだったのです。たとえ置いてきたとしても。
(幸い一人になったことに気付いていな…、わからないな、気付いてたのかな)

「判断する」のは難しい。そんな時に更に判断を鈍らせるのがこの映画です。

『12人の優しい日本人』

12人の優しい日本人

12人の優しい日本人

ある殺人事件の裁判のためごく一般の市民12人が集められる。
被告が若くて美しいことから議論は概ね無罪で決まりかけたのだが、
ひとりがそれに異を唱えたことから議論は白熱紛糾し……。

裁判員制度というのが導入されるらしい、というのは聞いたのだがイマイチ
ピンとこない。それって誰でも当たりうるの?ってかどうやって選ぶの?
変なヤツだったらどーすんの?
これは誰だって思うでしょう。この映画は裁判員ではなく陪審員。
この二つ、どう違うのでしょう?
私もわからなかったので調べてみたら…
陪審員は有罪か無罪かまでしか判断しないのに対して、裁判員は量刑まで
(懲役何年とかそういうの)判断する、
らしい。

…ってか大変じゃん。アメリカより大変じゃん。しかも日当もたいしたことない
っていう話。これは…先が思いやられる制度ですよね。

そしてこの映画を観ると更に先が思いやられるわけなんです。
『判断する』ということはどう考えても難しい。だって私、レストランで
どのランチを選ぶかでも悩みますよ?それが怪しかったり怪しくなかったり
見る角度から状況が全然変わってしまう被疑者の有無罪を判断しろ、
と言われてもそりゃあ無理ですよ。

この映画は三谷幸喜さんが脚本を手がけている密室劇。正直舞台向きで
わざわざ映画にも、って感じでもあるし、ちょっと演出もビミョウなので
見る人が見ると退屈になっちゃうかもしれないのですが、会話が小気味よく
楽しめるんですよ、実際。

登場人物たちはいずれもランダムに選ばれた人たち。それぞれ都合もあるし
事情もある。それなのにこうやって集められて「さあ判断してください」と
言われたらそれはスムースに事がすすむとは思えないってなわけですよ。
そもそも、美人だから無罪って時点でなにか違う(笑)
そしてまず頼もうとした飲み物がなかなか決まらない時点でこの先が暗い訳。
自分の飲み物も人に左右されちゃうんだからね(笑)
ムーザイ、とか訳わからないことを言う人もいるし、悪戯書きをするおっさん、
根回しをしようとしたり帰ろうとする人たち、とにかくめちゃくちゃ。
結構一人ひとりの個性が強かったりするから鑑賞したのはかなり前だけど
よく覚えているのです。出てこない裁判所にいた人たちまで見たような気がする
んだから凄いよね。それにしてもムーザイって(笑)

判断は、そう簡単には出来ないもの。
それが当たり前なんだな、と思った次第です。

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vol.13. teacher 先生 『スクール・オブ・ロック』

オーストラリアへの出発の日が迫ってきたので今日はとりあえずの宿となる
第二の母といっても過言ではないDaphneさんと電話でしばらくおしゃべりに興じました。
オージーらしい早口ではあるものの、訛りは少なく、(紅茶屋オーナーのバリーは
対照的に凄い訛りで、正直普通の人には理解できないかもしれない。私は…慣れました)
話しやすい。もともと彼女は先生なので私達がわからないポイントもわかってるし
話し方がはっきりしているんですよね。さすが先生。

と強引な持って行き方ですけど今日は先生について。
機関車先生、カンゾー先生、ドリトル先生、ヤンクミ、鬼塚(なんか違うか)
んー、あと誰がいた?ぼくが好きな先生の先生やら、25年目のキスで
ミシェル・バルタンが演じる先生だとか先生はきっと沢山いるはずですよねー。
だけど、ここまでめちゃくちゃで(ヤンクミも鬼塚もめちゃくちゃだけど
一応教師だし)面白い先生を、今急には思い出せません。

『スクール・オブ・ロック』

スクール・オブ・ロック
スクール・オブ・ロック

バンドをクビにされ、ルームメイトのネッドからも追い出されたデューイ
は名門小学校で代用教員をしているネッドになりすましバイト感覚で
学校へ行くが…というお話。

これは強烈でしたねえ。エンドロールまで楽しめるコメディなんですけど
ROCKとは何ぞや、ということをしっかり学ばせてくれる(ロックじたいを学校で
学ぼうなんて反抗的な意味合いもあることを前提に考えると矛盾がある…が
そこがいい)楽しい映画だったなぁ。台詞も細部まで覚えちゃってるくらいですよ。

最初っからトバしてくれるジャック・ブラック演じるデューイ。
自分のアンプが入ってないと怒り、入るやいなやご機嫌になってダイブしちゃう。
そんな子どもみたいな大人が生徒もっちゃうんだけど、彼の場合は主義主張が
一貫してるし、『自分はイケてると思ってる』くらいの自信家だから(それは
いい意味じゃないけど)わりと子供達をまっすぐ指導してるんだよね。

子どもたちも音楽を通して楽しんでいるのがよくわかる。バンドは数人の
メンバーでしかないけど、バックアップしている子たちのキャラもしっかりしていて
そういう意味でたとえ大した役回りじゃなくても縁の下の力持ちとして、
仲間はずれにされた気がしないようにさせたミスターS(デューイ)は凄いよね。
最後は親までも繫げてしまうんだから。
それにしたってラストのライブシーンは鳥肌物でしたよ。ホントに。

考えてみればこの映画、テーマ『ROCK』でも充分いけました。そして
Vol.10であげている『ビフォア・サンライズ』の監督リチャード・リンクレーター
による作品なんですよね。図らずして何だか似たようなチョイスになって
しまったのはすみません。でも強烈だったし先生といったらやっぱり彼なんだな。
私もミスターSとバンド組みたかったなー。
移民の歌、目の前で歌ってほしかったもん。

と言うわけで今回の先生はジャック・ブラックでした。
皆さん、先生っていったら誰ですか?いやいや、私もう彼しか思い出せなかった
ですよ、ホントに。

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